Do you understand ?

前回、海外から子犬を買う場合、本当に自分の気に入った犬舎を見つけて、熱意と誠意を持ってメールしないと、なかなか返事が来ません。という話をしましたが、それでも返事が来ないという方々からメールがたくさん送られてきました。

よく話を聞いてみると、本当に自分の気に入った犬舎を見つけてメールをする。というところまではいいんですが、まだ子犬が産まれていないところにメールを送っていらっしゃるようでした。しかも、文面を見せてもらうと、自己紹介のあと、Please sell me your a puppy.くらいしか書かれていません。

子犬が産まれる予定が全くないところに、子犬を売ってほしいという簡単な文章のメールを送っても、なかなか返事が来ない場合が多いと思います。子犬が産まれているところ、あるいはもうすぐ産まれそうなところはWebに載っています。それを確認して、子犬が産まれているところか、もうすぐ産まれそうなところに、もっと、その犬舎の子犬がどうしてもほしいということを伝えるメールを送りましょう。

Webに子犬の情報がないけど、どうしてもこの犬舎の子犬じゃないと買いたくない。というときは、「今、そちらの犬舎には子犬が産まれていますか?もし今産まれていなければ、今度はいつ頃産まれるでしょうか?世界中の犬舎をインターネットで調べましたが、私はあなたの犬舎の犬が世界でナンバーワンだと思います。どうしてもあなたの犬舎の子犬がほしいです。今度子犬が産まれたら、その中から最も良いオスの子犬を1頭譲ってください」というようなことを、自分の言葉で書いてください。(私が言ったことをそのまま書かないでくださいね。今軽く思いついた簡単な文章を羅列してるだけですから) どうしてもあなたの犬舎の犬が欲しいんだということを自分の言葉で伝えるところが熱意と誠意です。(なんか熱意と誠意とか歯の浮くような言葉を何度も使って、上から説教するようなこと言って大変申し訳ありませんが)

熱意と誠意は言葉にしなければ伝わりません。熱意と誠意を心に強く持ったからといって、Please sell me your a puppy.と、ただ書くだけではいけません。本当にあなたの犬舎の子犬がほしいんだ。ということを自分の言葉でもっと相手に伝えてください。

海外にメールを送るからといって舞い上がってはいけません。今回お伝えしているようなことは、日本人同士なら日常的に自然に行っていることです。海外の人と話すということと、英語で書かなければならないということで緊張して、平素のことができなくなる方がいらっしゃるようです。海外の人間は性質(たち)の悪いサイヤ人のような宇宙人ではありません。同じ星の、ちょっと距離の離れたところに住んでるだけの同じ人間です。まあ、言葉が通じないかもしれないと思うと、ちょっと焦るかもしれませんが、同じ犬種を愛する者同士お友達になりたいといった感覚で、明るく楽しい気持ちでスタートしてください。メールですから、ゆっくり考えて書けば大丈夫です。誠心誠意に送ったメールを邪険にするような相手からは犬を買う必要はありません。緊張しないで落ち着いてやってください。良いブリーダーなら必ず返事をくれます。

それでは。

みなさんに、最高に自分の気に入った犬が送られてくることを心から願っています。


*自国周辺の国ならいいけど、あまり遠い国には子犬を送りたくない。というブリーダーもいます。そういう場合も返事が来ない場合があります。そういうときは、しばらく立ち直れないほどの未練を振り切って、止めどなく涙をこぼしながら、仕方なく違う犬舎を探しましょう。







.

We don't know about foreign countries.

私たちは海外のことをけっこう知っていると誤解しています。イギリスのドッグブリーダーの中には、日本人は、世界中の人が愛すべき海の哺乳類であるクジラを食べて、愛犬家が愛すべき犬さえも食べる野蛮な民族だと思っている人がたくさんいます。日本に住んでいる私たちは、「クジラはまあ食うけど犬を食うわけないじゃん。おおげさだな」あるいは、「中国と韓国だよそれ。日本じゃないよ」などと思うかもしれませんが、イギリス人はそうは思いません。私たちは、お互いに海外の国のことをけっこう知っていると思っていますが、実際はぜんぜん知りません。

イギリスにも、お笑いタレントで言えば、明石屋サンマさんからNON STYLEまでいて、ミュージシャンでは、サザンオールスターズからSOUL'D OUTまでいます。私たちはそれをぜんぜん知りません。知っているといえばビートルズくらいです。ビートルズでさえアメリカ人だと思っている人がたくさんいます。それと同じで、中国や韓国では犬を食べますが、日本では食べない。というのは日本人は知っていますが、イギリス人は(他の多くの国の人も)、日本でも犬を食べると思っている人がたくさんいます。 しかも、私たち日本人は、中国ではチャウチャウを食べて、韓国では赤犬を食べる。と思っていますが、多くのイギリス人は、日本も中国も韓国もマレーシアもタイもカンボジアも、とにかくアジア地区では、ロットワイラーでもチワワでもボルゾイでも、犬ならなんでも食べると思っているようです。 だいたい、もしかしたら現在では中国でも犬は食べられてないかもしれませんが、中国なんて広いし、山奥に行ったら、犬どころかネズミでもなんでも食べそうな感じだな。と日本人の私でさえ思ってしまいますから、イギリス人が誤解するのも理解できます。

「世界不思議発見」や「ウルルン世界滞在記」や「なるほど!ザ・ワールド」などで知っている海外の知識は、その国の0.1パーセントにも満たないものです。イギリスにも同じようなテレビ番組はあるでしょう。そこで日本のことを紹介しても、日本各地の世界遺産や国立公園と主要都市などのごく一部の、ほんのわずかなものでしかないはずです。旅行に行っても同じです。その国の言葉を覚えて10年以上そこに住んでいなければ、その国のディテイルはわかりません。

ですから、海外のブリーダーから犬を買う場合、お互いに相手のことをよく理解していないわけですから(特に、こちらは相手の犬舎の様子をWebなどで観て多少相手のことをイメージできていますが、相手は一通のメールでしかこちらのことを判断できません)、熱意と誠意がとても重要になってきます。どうしてもそこから犬を買いたいという、最高に自分の気に入っている犬舎を探して、そこに購入の依頼をするべきです。そうしないと、どんなにメールを送っても返事が来なかったり、相手にされなかったりします。

どうしても、そこの犬舎の、この犬の血統の犬が欲しいんだという熱意を相手に知らせるべきです。ここがダメだったら他でもいい。などという考えでは、それはメールといえども相手に伝わってしまいます。また、今すぐに犬を買う準備があるときでないと、メールを送ってはいけません。子犬と親犬と血統書の写真などを送ってもらって、散々調べた挙句、「じゃあ、来年、マンションから一戸建てに引っ越すので、そのときにまたメールするよ」というのではいけません。もう二度とそこから犬を買えなくなる場合があります。

これは、海外から犬を輸入する場合とても重要なことなので、それを踏まえて、子犬購入依頼のメールを送ってください。


*中国では、四本足のものは、テーブル以外なんでも食べる。と言われています。


.